utsurogi

空木(うつろぎ=中が空っぽ)ながら、多岐多様に詰め込んで勝手なことを吐き出して…。

長い長い独り言~世界・革命とか~

 その時、その時に書きたくなることはたくさんあるけれど、ちゃんと書こうと思うと時間が気になり、その時間は普段はあまり持っていないので、どうしても休みの日くらいしか書くことができない。でも、それもまたちょっと不必要に真剣に考えたりして、つい後回しにしてしまったりして…。

 まぁ、そんなこんなで、今日は久々に書いてみようかなと。

 

 ある映像視聴サービスを利用していて、今までに本当に勉強になる映像を色々見させてもらった。

  • グローバル社会の象徴の一つである、食糧問題。~遺伝子組換え、一部企業の寡占的且つ大量工業生産的供給体制等々。
  • 原発問題。
  • 捕鯨(イルカ)関連問題。
  • 冷戦中、後における代理戦争と武器等密輸、アフリカ内戦。
  • 米のグローバル企業による過剰な資本主義体制から起因する1:99%問題。 ~米国内及び世界の貧困、格差社会問題。
  • 第二次世界大戦
  • 民族、宗教間対立と弾圧。
  • 軍事独裁政権への抵抗。
  • 現代社会、現代人特有の様々な問題。

 自分で書いていてビックリするが、こんなに沢山の問題に関する映像を色々と見させてもらい、大変勉強になった。

 正直、何度も書いているが、今までのウン十年の人生でこんなに自国に向き合ったことはないし、そこから派生して世界情勢に関してもここまで歴史を意識して考えたことはなかった。それなりに人生を送ってきたいい年した大人が、全く以て恥ずかしい話ではあるが…。でも、そのブランク期間があまりにも長いが故に、なかなか一朝一夕に理解するのはもちろん困難で…。でも、書物から地道に吸収するよりも、映像からよりリアルに近い情報を手早く吸収できるのは大変有り難い。語弊があるかもしれないが、とにかく全てがとても新鮮で驚きの連続である。

 大昔、お昼のワイドショーで夏休み期間だけやっていた特集

「あなた(私)の知らない世界」

まさにアノタイトル(のみ)である。

 世の中は、世界はこんな歴史を辿り、そして、今、こんな風に動いているのか…と。

 

 ことの発端は紛れもなく「311」である。

 日本政府のあまりの体たらくぶりに唖然とした。しかし、そこから原発、核、第二次世界大戦、冷戦、代理戦争、内戦…と進み、全ての中心に存在するのがアメリカであり、そのアメリカを拠点にして富と権力を集中させワンワールドな世界支配を目論み、アメリカ政府をも手中に収めるかのような、一部グローバル大企業、大資本家達の悪行を知るにつれ、私の中で“アメリカ絶対悪論”は強固なものとなった。

 一応、断っておくけれど、もちろん無差別的に個々の国民や文化に対してもそうというわけではない。あくまでも、政府、政治家、大企業に対するものが9割以上である。あの国は信用できないと。日本政府、日本の政治家、日本の一部大企業と経営陣も同じく。

 

 

 先週はアフリカの内戦に絡んで軍資金を得る為にダイヤの密輸、密売が横行している(た)現状を知った。先進国の一部企業が利益を得る為にダイヤの流通を操り、密売買が行われ、政府側、反政府側の対戦同士がそれぞれにまた、密売する為のダイヤの奪取でも血を流して争う。しかも争うのは黒人同士。巻き添えになるのも一般の黒人庶民。それを傍で冷笑しながら眺めて、美味しいところだけさらっていく先進国側の人間(白人)。今はもう「紛争ダイヤモンド」の取引はほぼ?無いらしいが?、とにかく、本当に各地で起きている内戦に関しては、必ず二大帝国が関係していると思っているので、何の関係もない庶民が苦しめられ、残虐に殺されているのを見聞きすると本当に腸が煮えくり返りそうになる。いつまでこんなことを続けるのかと…。もう十分過ぎるくらいの財産は持っているんじゃないのかと。一体、いくら手に入れれば気が済むんだと。もう病気だろう、絶対に。あぁいう輩達は。

 

 アフリカの内戦絡みの映像は本当に残酷で惨たらしくて、子ども(少年兵士)さえも極悪非道で、とにかく見ていていろんな事に対して辛くなる。なんでそんな簡単に人を撃てるのだろう。手を切り落とす時に、興味深いセリフを言っていた。最初に手を切り落とす行為を始めたのはベルギー人だと。そこで、ふと思った。そういえば、アフリカ大陸もそうだが、欧州列強が植民地政策を行ったのが、現在のアフリカ、南米、アジア地域の苦難の始まりなのだ。

 イギリス、フランス、スペイン、ボルトガル、オランダ、ドイツ、ロシア等々。

 資源が必要以上に無ければこんな状態にもならなかったかも知れないのに…。

 

 ナチス絡みの映画でも、フランス政府がナチスと同じようにユダヤ人を弾圧していたり、結局、帝国主義的発想から離れることなどできないんだろうなと。

 不思議なことに、先にアフリカ内戦関連の映像をいくつか観た後でのナチス関連の映画を観ると、あまり惨たらしい印象を感じなかった。この場面ならアフリカでなら機関銃で簡単に皆殺しだろうと思う場面でも、生きた状態で収容所に入れらるのみ。でも、映像ではなく言葉で残忍な拷問方法を語っている場面などもあるし、実際、アウシュビッツやヴェロドローム・ディヴェール事件など、間接的ではありつつも非人道的迫害を行っているのでどちらがどうということではないけれど、でも、やはり印象的には直接的に簡単に人を撃ち殺していくアフリカの内戦傭兵達のほうが怖さを感じる。

 

 先週の最後に観たのが、元ナチス中尉のクラウス・バルビーのドキュメンタリー。残忍な行為、ユダヤ人迫害を、性格でも思想でもなく、ただその時代、状況に応じて、上からの命令に従っただけと理由を語っていた。ある意味、仕方なかったのだと自己弁護をするかのように。心の中で「そんなことあるかい、何屁理屈こねてるねん」と腹が立った。想像力の欠片もなく、自己保身の為に当たり前のように嘘を付き、人の子どもには残虐な仕打ちをしておきながら、自分の家庭では子どもを大事にし“よき父”であったのだろう。娘がこれまた勘違い甚だしい考えを持ったまま大きくなってしまっていた。

 終戦後、フランスから戦犯として追いかけられる前に、その広い人脈と戦術知識、拷問手法等々の経験を買われ、アメリカCIAに雇われ生き延びる。フランス政府内にも人脈があった為に何とか逃げられていたのが、とうとう逃げるのが難しい情勢となり、CIAとバチカンの力を借りてボリビアへ渡る。そのボリビアで名前を偽り、事業で成功し、経済的影響力を背に政府と近付き、さらに密輸などが絡んでいたのだろうが、船舶事業でも大儲けし、CIAと共に反共産主義軍事独裁政権を後押しする。

 そんな中、ボリビア政府の軍隊の育成、対ゲリラ向け訓練にナチス時代の経験を生かして協力していたとも語られ、実際にそれはゲバラの処刑という結果に繋がったようだった。ここで、あのゲバラの死とこのバルビーが関係していたのかと少し驚いた。

 そこで、興味はあったもののいつ観ようかと思いながら後回しにしていたゲバラの映画を今日は観てみた。

 キューバ革命に続いて、ボリビア革命も出てきて、ゲバラは本当にボリビア軍に殺されていた。クラウス・バルビーもCIAも全く登場はしなかったけれど…。

 

 ゲバラについては、2000年~2005年の間だったような気がするしもっと昔かもしれないが、あの頃はまだ深夜映画という枠がテレビにあって、ミニシアター系の映画を放送していて、変わり者で世間の流行などと逆向きのことに関心を持つ自分は、メジャー映画ではなく、単館、ミニシアター系の映画を好んでいた為時々見ていた。ベトナムとか中国とかデンマークとか、とりあえずメジャーじゃない、大々的な全館ロードショーとかにならない映画。

 その中で、本当に一部のシーンだけが割と鮮明に記憶に残っているものがあり、確かそれがゲバラに関する映画だったように思う。ベニチオ・デル・トロと同じくらいゲバラ本人に割りと似ている暑苦しい、濃い顔の俳優がゲバラ役を演じていて、海辺の家か店か倉庫か何かの中で秘密裏に誰かと計画、相談している場面と、何も知らない人々がパーティか何かで浮かれているのを遠くから見ている場面。

 私の中ではあの映画で始めてゲバラを意識したような気がしている。で、その数年後に何だかゲバラブームが起こって、世間の流行嫌いの私は敢えて同じようにゲバラを追いかけることをせず、興味はずっと持ちつつも何も触れないで過ごした。そして、そのブームも落ち着き今に至るという感じだろうか。

 で、クラウス・バルビー繋がりでゲバラに関心を抱き、スティーブン・ソダーバーグゲバラ映画を観た。

 ほとんど何も知らず、日本の若者が支持をし、人気があるらしいが、彼は何やら共産主義、右向きのゲリラ戦指導者だったはずで、なぜそんな彼が人気があるのかと、内心ちょっと警戒心も持っていた。

 

 不平等、不正、独裁、支配、差別を憎み、誰もが人間らしい生活、教育を享受できる社会を望んだ。その為の軍事独裁政権、アメリカ傀儡政府との戦いを自ら望んだ革命家、というところだろうか。

 そのやり方が武力闘争であることに反感を抱く人がいるらしい。私も殺人を賛成するわけではないが、相手によって、効果的な方法というのは違ってくる。軍の兵士にだって家族はいるはずで、死ねば悲しむ人がいるのは皆一緒である。でも、自分達の利の為に国民を平気で踏みつけることに何の迷いも抱かないような非人間的な彼らに対話だけで改心させることができるか、甚だ疑問である。地道にそれを試みている間にも国民は間接的に彼らに殺されていくのである。それを黙って見ていることができなかったということだろうと思う。

 結論としては、ゲバラのやり方に異議は無い。でも、本当はガンジーさんのように「非暴力、不服従」の精神が最も高潔なんだとは思うけれど…。

 オリバー・ストーン監督の作ったカストロの映画も少し観たが、ちょっとつまらなくて(失礼)途中で止めた。撮影、編集手法が上手くなかったと言っては監督に失礼と思うので、好みではなかったとしておくが、カストロの話はどこか偽善的に聞こえた。この人には裏があるな、と。革命時は確かに大いなる理想の実現に向け自ら戦った英雄なのかもしれないが、その後か、その途中からか、きっと政治的な駆け引きをしながら国を動かしてきたんだろうな、と勝手に推測している。単なる勘。

 

 ボリビアでのゲバラの失敗…というより、まずは自分の持病に対する認識が甘かったのかなと思った。お医者さんなのに…。病に苦しむ総隊長の下で、兵士達の士気が逆に高まるケースもあるかもしれないが、普通はちょっと頼りなく、不安になるのではないだろうか…。キューバの時ほど優秀な小隊長クラスの人材が居なかった。それ故、決め細やかなフォローができず、兵士たちの精神的な団結、意思統一を強固にできず、内側から綻びが起こると共に、村人、先住民達の理解も信頼を得ることが難しく、食料も尽き、結局は劣勢に回ってしまったと。

 本来、戦いの目的である先住民達の協力があって当然のところ、逆に政府軍に売られてしまうというのはなんとも皮肉なことである。ゲバラ一人の力では無理があった。ゲバラキューバの時より年をとっていた。いろんな敗因があると思う。もちろんそれなりに右腕として活躍した仲間もいただろうと思うけれど、でも、たぶんキューバの時のようにカストロと2トップでやっていたのとは全く違った状況だと思う。ゲリラ戦だけではないと思うけれど、戦いは戦術、組織力、食料、武器の備蓄、資金力がものを言うと思った。そして、最も基本的な部分としてはリーダーの人間性が兵士の士気を左右すると。

 先述のゲバラのことを描いていたと思われる微かな記憶しかない深夜映画枠で見た映画を探すためにネットで検索していて引っ掛かった興味深いページ、サイトが幾つかあったが、この方はずっとラテンアメリカを研究し、ゲバラについても詳しく、その言論がとても興味深くて、ちょっと追いかけてみたいと思った方である。ゲバラやその周辺の出来事についても深い視座から語られている。

 また一つ、いい勉強の機会を得た。

 結局、映画については全く分からなかった。残念無念である。

 ボリビア革命について興味が増したが、これも資料が少ない様子。しかし、今ある資料からだけでもちょっと追いかけてみたいと思った。キューバ革命も同様。ボリビアの映画にも興味を持った。「低開発の記憶」他ウカマウの映画を観てみたい。

 アフリカ内戦関連の映画を観た時も、アンゴラリベリアシエラレオネスーダン、シリア等々の内戦について知りたいと思った。

 ・内戦 - Wikipedia

 ・植民地 - Wikipedia

 ・植民地主義 - Wikipedia

 

 世界平和というのは永遠にやってこないのだろうか…。

 日本がかつてのボリビア軍事独裁政権のようになろうとして、時計を逆回ししているように思えてならない。国民の貧富差、医療制度の劣化……。国民は不満に思っても行動できず、政府に従い、正しい芽を摘んでしまう。映画を観ている時、小泉政権時に話題になった“B層”を思い出してしまった。

 

 ゲバラは読み書きの重要性を説く。アフリカの問題に関しても、いつも“教育”がキーワードになっている気がする。市民、子ども自身が何より教育を欲している。現状を打開するためには教育が必要だと知っている。私も本当にそうだと思う。最低限の読み書きと書物などから知識を吸収すること、社会、世界を知ること、思考の訓練を積むこと、もっと実利的に医者になりたければ、もちろんその為の専門教育を受ける必要もあるし、とにかく生きていく上で無知、無学ほど危険なことはない。別にみんなが高等教育を受ける必要があるとは全く思わない。最低限が重要なのだ。

 

 アベのせいで日本のことも真剣に心配になってきてはいるが、教育環境が無い地域への支援も、もっと切実な間際の支援も、あといくらかの余生で行っていきたいと思っている。

 

 私にはもうそれくらいしか“意義”はない。

 

  

f:id:utsurogi:20140626192301j:plain

photo credit: Werner Kunz via photopin cc   

 

 

100,000年後の安全(Into Eternity)

フード・インク(原題: Food, Inc.)

・ありあまるごちそう(We Feed the World)

ダーウィンの悪夢Darwin's Nightmare)

・地球にやさしい生活(原題: No Impact Man)

ザ・コーヴ(The Cove)

・ジョニー・マッド・ドッグ(Johnny Mad Dog)

ロード・オブ・ウォー(Lord of War)

マイケル・ムーア in アホでマヌケな大統領選(原題:This Divided State)

キャピタリズム〜マネーは踊る〜(原題:Capitalism: A Love Story)

・未来を生きる君たちへ(デンマーク語: Hævnen, 英語: In a Better World) 

・ワールド・トレード・ゼンター

 ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド

・突然、みんなが恋しくて(Et soudain tout le monde me manque)

ブラッド・ダイヤモンド(原題:Blood Diamond)

・サラの鍵(原題: Elle s'appelait Sarah 英: Sarah's Key)

・敵こそ、我が友 ~戦犯クラウス・バルビーの3つの人生~
 (MON MEILLEUR ENNEMI 仏/MY ENEMY'S ENEMY 英) 

チェ 28歳の革命 (The Argentine)/チェ 39歳 別れの手紙 (Guerrila)

 

原発問題絡みで見て、後に米と核についても非常に勉強になった「オリバー・ストーンが語るもう一つのアメリカ史」も貴重な映像満載だった。